来月、8月6日(火)に、「記憶の継承ラボ」の活動の一環として、大阪空襲の戦跡を歩くフィールドワークを行います。
大阪城がある一帯は、明治期から敗戦まで旧日本軍の大阪砲兵工廠があり、アジア・太平洋戦争の末期には度重なる空襲を受けました。体験者の一人であり、のちに「ベトナムに平和を!市民連合(べ平連)」に深く関わることになる小田実は、終戦前日に行われた最後の大空襲による人びとの「難死」に直面したことで、戦後の時間を通じてその死の意味を問い続けていきました。小田の軌跡に象徴されるように、そこには人びとの戦後の思想的営為を規定しつつ、常に立ち帰ってくる原体験として、空襲・廃虚体験があったことが窺えます。
今回のフィールドワークでは、大阪城の近くにあり、大阪空襲の記憶を伝え継ぐ平和博物館「ピースおおさか」とその周辺に今も残る戦跡を歩きながら、「戦後」を生きてきた人びとにとっての空襲・廃虚体験の意味を参加者で共に考えていきます。